SOHOのためのパソコン術[1]

インターネットを駆使して仕事するSOHOにとって
、メールの上手な活用が直接的に仕事に関係し、
収入にも影響を及ぼします。
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【メールのノウハウ】



【ビジネスメールのマナー】



【バージョンアップのノウハウ】


【データやりとりのノウハウ「データ交換の基本」】


【データやりとりのノウハウ「テキストデータ交換の基本」】


【データやりとりのノウハウ「電子メール本文での交換」】


【データやりとりのノウハウ「Win→Macテキストデータ渡し」】


【データやりとりのノウハウ「Mac→Winテキストデータ渡し」】


【データやりとりのノウハウ「データベース間のデータ交換」】




メールのノウハウ


■悪評高きMicrosoftのメールソフト

 あなたが使っているメールソフトはなんだろう?
 Windowsであれば最初から付属してくるMicrosoftのメールソフト(メーラーとも呼ぶ)Outlook Expressなどを使っているのではなかろうか?

 しかしMicrosoftのメールソフトは評判が良くない。それは「我が社が世の中の標準だ」というある種の傲慢さのせい。
 すべてのひとが使っているすべてのソフトがMicrosoft社製ならば問題ないが、現実はちがう。インターネットは共通ルールによって成り立っているのに、Microsoftはオリジナルルールを持ちこむのがお好き。

 Outlook Expressも最初の設定のまま使うと、異なるメールソフトやOSを使う相手との間でトラブルを引き起こしがちだ。またメールなどのファイルが独自の形式であるため、他社のメールソフトに移行したり、他社のデータベースソフトでアドレスなどのデータを利用しにくい。

 メールソフトとしてOutlook Expressを使っているだけで「素人」と見るひともいる。

 「プロ」と見られるにはシェアウエアのメールソフトを使うといいようだ。中でもインターネット慣れしたひとたちに愛用されているメールソフトは「Becky!」。
 わたしも愛用している。機能的にも便利で使いやすい。

 「Becky!」などのソフト入手先はSOHOに役立つリンク集2



■受信メールから相手についてチェック!

 「でも教えなきゃ、相手にはわたしが使っているメールソフトがなにかなんてわからないでしょ?」と思っているひともいるかもしれない。

 だが受信メールのヘッダを見れば、さまざまなことがわかる。
 相手がそのメールを書くのに使ったメールソフト名からどこをどう経由してそのメールが届いたかまで一目瞭然。

 もちろんすべての情報があるわけではなく、その気になれば情報を隠すこともできるが、ふつうに出せば、かなりの情報が相手に伝わる。


 Outlook Expressでメールヘッダを調べるには
1)調べたいメールを選択した状態で右クリック。表示されたポップアップウインドウで「プロパティ」をクリック。
Outlook Express説明画像

Outlook Express説明画像
2)プロパティの「詳細」タブをクリックするとヘッダが見られる。Outlook Expressで出されたメールなら「X-Mailer: Microsoft Outlook Express 5.00.2919.6600」などと表示される。



■Outlook Expressを使うなら設定変更

 Outlook Expressを使うなら、少なくとも他人に迷惑をかけないように最低限の設定変更は行っておきたい。

 OutlookExpressの初期設定で最も評判が悪いのが、メールをHTML形式で出す設定。テキスト形式とちがい、HTML形式なら文字に色をつけたり、大きな文字を使ったり、文章中にイラストや写真をはめこんだりできるので「ゴージャスで素敵なメール生活しよう」がMicrosoftの考え方らしい。

 だがテキスト形式なら誰でも受け取って開いて読めるが、HTML形式の場合はそうはいかない。HTML形式を使えない相手にとってはゴミのような記号まじりの、しかも無用に重いメールが届いて迷惑このうえない。

 実を言えば、わたしも月刊アスキーで連載を始めた頃は、編集者にOutlookExpressからHTML形式でメールしてしまっていた。
「メールを開くのに時間がかかるからテキスト形式にしてくれ」と言われ、そのとき初めてHTML形式で出す設定になっていることを知ったのだった。

 [メール送信の形式]は[HTML形式]から[テキスト形式]に変えておこう。


 また[メッセージを直ちに送信する]設定もやめたほうがいい。メールは内容を吟味した上で送信しないと、なにかとトラブルを起こしやすい。特に仕事相手やメーリングリストに送るメールは書いた後しばらく時間を置いてから見直した上で送信するようにしたい。


 同様の理由で[起動時にメッセージの送受信を実行する]設定も外しておこう。
 メールを送信するときは常に意識した上で自分の手で操作して行いたい。

 あなたが常時接続でないのなら、メールチェックのたびにお金がかかる。最初の設定では[30分ごと]に[新着メッセージをチェックする]設定になっているので、これも外しておきたい。
 またウイルス感染予防としては、[読み取り]タグの[プレビューウインドウで表示するメッセージを自動的にダウンロードする]のチェックを外しておくこう。



 Outlook Expressの設定を変更するには

Outlook Express説明画像
1)[ツール]メニューの[オプション]をクリック。

Outlook Express説明画像
2)[全般]タブをクリックして開き、 [起動時にメッセージの送受信を実行する]と[新着メッセージをチェックする]をクリックして、チェックを外す。

Outlook Express説明画像
3)[送信]タブをクリックして開き、[メッセージを直ちに送信する]をクリックしてチェックを外し、[メール送信の形式]で[テキスト形式]をクリックしてチェックをつける。

Outlook Express説明画像

4)[読み取り]タブをクリックして開き、[プレビューウインドウで表示するメッセージを自動的にダウンロードする]をクリックしてチェックを外す。
5)設定を終えたら[OK]をクリックして変更した設定を登録する。




■同報通信とは

 わたしはつい、なにげなく「同報メール」という言葉を使っていましたが、改めて辞書を引いてみると、「同報」という言葉は新語でした。
 まず広辞苑など国語辞典では出てきません。オンラインの辞典で探してみると、「同報通信」をEメールの同報メールの説明が出てきました。
 でもEメールだけで使われる言葉ではありませんよね。昔からFAXのカタログやマニュアルにはよく出てくる言葉でした。

 「同報通信」とは同じ内容のものを同時に複数の相手に送ることです。FAXやEメールなら簡単に行えます。



■Eメールなら簡単、同報メール

 ふつうの手紙でも、同じ手紙をたくさんプリントしたりコピーして、おおぜいに同じ内容を送ることはできます。一度にまとめてポストに投函すれば「同時」と言えなくもありません。でも、その実際の行動を考えると、ひとりに送るのと100人に送るのでは大違い。
 ところがEメールやFAXの場合はほとんどワンタッチで行えるので、同報の機会も増えました。
 Eメールで同報通信する場合、宛先欄に「,」(カンマ)または「; 」(セミコロン)で区切って、複数のメールアドレスを書き並べれば済みます。

 もしかして、あなたは同報メールをするときに二人目のメールアドレスはCCやBCCに記入するものと思っていませんでしたか? CCやBCCはそれぞれ使い方に意味があります。仲間に飲み会の知らせを送る際などなら、すべてのメールアドレスを通常の宛先欄(TO)に並べてかまいません。



■「宛先」(To)とはちがう「CC」、「BCC」

 Eメールの宛先欄には通常使う「宛先」(To)欄のほかに、「CC」(Carbon Copy=複写)と「BCC」(Blind Carbon Copy=隠し複写)、2種類の宛先欄があります。

 Outlook Expressで「BCC」欄を表示させるには

 OutlookExpressでは最初の状態では「BCC」欄が表示されていない場合があります。その場合には以下のようにしましょう。

Outlook Express説明画像
1)メール作成ウインドウで[宛先]か、[CC]をクリック。

Outlook Express説明画像
2)「宛先」(To)や「CC」、「BCC」にメールアドレスを入力できるウインドウが開きます。ここで「BCC」に入れたいメールアドレスを選んで反転させた状態で[BCC]をクリックすると、[BCC]欄にそのメールアドレスが入力されます。入力が終わったら[OK]をクリックします。

Outlook Express説明画像
3)メール作成ウインドウに「BCC」欄が表示されます。




■Eメールのやりとりを確認してもらう相手には「CC」

●機能は「宛先」(To)と同じ
 「CC」は、機能としては「宛先」(To)欄に「,」で区切って複数のメールアドレスを書き並べる方法と変わりはありません。

●やりとりを確認してもらう相手に「CC」
 しかし「CC」と「宛先」(To)では意味は異なります。

 「CC」は元々、アメリカでビジネスメールを意識して用意されたもので、送信者と「宛先」(To)の受信者とのやりとりを、第三者にも見ておいてもらうためのもの。

 たとえば「宛先」(To)には取引先のメールアドレスを、「CC」には自分の課の課長のメールアドレスを記入して、自分と取引先のやりとりを課長にも見ておいてもらいます。そのことは取引先にも見えるので、「上司が見ている中でのやりとり」と認識されます。
 たとえばライターが編集プロダクションから受けた仕事を進めていく内に、直接出版社とやりとりすることになった際などは「CC」で編集プロダクションにも送っておきます。出版社には編集プロダクション監督下にあることをアピール、編集プロダクションには決して編集プロダクションを差し置いて行動しているわけではないことをアピールすると同時に、自分がきちんと仕事していることを見せる意味もあります。

●「CC」で送られてきたEメールには返信の必要なし
 自分がEメールを受け取る場合にも、自分のメールアドレスが「宛先」(To)欄に書かれているか、「CC」欄に書かれているかをチェックしましょう。「CC」で送られたのなら、内容を確認さえしておけばよく、そのメールに返信する必要はありません。

●「CC」にも届く「全員へ返信」
 受信したメールを選んで「全員へ返信」すると、「From」に表示される送信者だけでなく、「宛先」(To)や「CC」にメールアドレスがある全員に同報で返信を送ることになります。
 「宛先」(To)や「CC」にたくさんのメールアドレスが並んでいるときなど、先頭のほうのメールアドレスだけ見て、ほかに誰のメールアドレスがあるかをよく確認せずに返信してしまいがちです。
 実はわたしはこれで一度重大な失敗をしたことがあります。
 クライアント企業、広告代理店、プロダクションが関わっている仕事で、広告代理店とプロダクションの間のメールのやりとりに対して、「全員へ返信」機能を使って、仕事の段取りのもたつきなどについて注意してもらいたい旨のメールを送りました。わたしは広告代理店とプロダクションに対してメールしたつもりでしたが、実は広告代理店とプロダクションの間のメールのやりとりは、「CC」でクライアント企業にも送られていたため、結果としてクライアント企業にまで、内部のもたつきをさらしてしまうことになってしまいました。
 メールを送る際はくれぐれも送信先をよく確認しましょう。

■他のひとには他の送り先を知らせずに同報メール「BCC」

●誰にも知らせずに、こっそり複写送信
  「BCC」はBlind Carbon Copy(=隠し複写)の名の通り、隠れてEメールの複写を送ろうとするとき、「BCC」で送ります。 「BCC」に書かれたメールアドレスは、「宛先」(To)や「CC」、「BCC」の相手には伝わりません。隠されたメールアドレスです。

●客観的な第三者にチェックしてもらうために利用
  元々、アメリカではビジネスEメールを顧問弁護士にも送ってチェックしてもらうといった使われかたなどもされているようです。
 同様にして、送り先の相手には知らせずに、けれど他のひとにもやりとりを確認しておいてもらうために「BCC」を利用するといいでしょう。
 たとえば有料のエージェンシーの紹介で仕事をした相手が、後で価格をねぎってきたり、最初の予定にない仕事まで要求してきた際などに、それに対する抗議などをエージェンシーにも「BCC」で見せるといいでしょう。その際には相手からのメールを全文引用するなどして、受け取ったメールもエージェンシーに見えるようにします。
 しかし、第三者に見てもらうことは諸刃の剣。冷静な対応であくまで相手の側に非がありながら屈服せず抗議すべきことは抗議している姿勢をアピールすれば、プロとして評判を第三者にも知らせられます。けれど感情的になるなど自分の側に問題があるケースでは自ら自分の悪評を広めることにもなります。

●複数の顧客に送る際に
 顧客にDMなどを送る際、「宛先」(To)や「CC」に全員のメールアドレスを並べると、顧客に他の顧客のメールアドレスを教えてしまうことになります。これは重大な個人情報漏洩です。しかし、その認識なく、これをやって、顧客の信用を失う企業はこれまでに数多くありました。
 「宛先」(To)や「CC」並べられるメールアドレスの数には限りがありますし、顧客向けのEメール同報送信する際は、きちんとしたメール送信システムを利用すべきでしょう。
 しかし、数人程度の相手に、他のメンバーのメールアドレスがわからないように同報メールしたい場合は、「宛先」(To)は自分自身にして、BCCに「,」で区切って顧客のメールアドレスを記入しましょう。こうすれば、顧客には他の顧客のメールアドレスがわかりません。

●「全員へ返信」は「BCC」は対象外
 「BCC」で送ったことは隠されていますので、受信者には「BCC」の存在すら伝わりません。ですから当然「全員へ返信」しても、最初のメールの「BCC」の相手には送られません。



ビジネスメールのマナー


■相手を怒らせる依頼メールとは?

 先日、2通の失礼な依頼メールをもらい、依頼を断りました。1通はテレビ出演依頼、もう1通は調査協力依頼でした。
 わたしはライターやコピーライターとして、知らない相手に取材などのお願いをすることも多いので、自分が依頼された際もできるだけ受けることにしています。しかし、この2通はどちらもあまりに失礼だったので、思わずお断りさせていただきました。


●相手についての下調べ不足
 どちらも共通だったのは、わたしのサイト(ホームページ)を見てメールを寄越したにも関わらず、きちんとサイトの情報を読まずに、勘違いしたり、まちがったまま、依頼して来ました。その勘違いがまずあまり失礼だったので、カチンと来ました。

 相手にものを頼む際、相手がオープンにしている情報くらいはきちんと読んで、相手について知った上でお願いするのは最低限のマナーです。しかし、意外にもこれを守るひとは多くありません。
 わたしは以前、メールマガジン配信サービスまぐまぐに取材に行ったことがあります。その際に社長の大川氏に「いままでこんなにきちんと(サイトで公開している情報を)読んできてくれたひとは初めてです! ほとんどの取材者が(サイトに)書いてあることを聞くんですよ」と言われました。
 まぐまぐは「報道・出版関係者の方へ」として、取材で聞かれそうな基本的データはすべて公開しています。特に当時は現在以上に詳細な情報や話が書かれていて、プリントアウトすると数十枚に及びましたが、それだけにそれを読んでおけば、取材に際しては突っ込んだことを集中して聞くことができます。それなのに取材者として「なんてもったいない!」と、大川氏の話に驚きました。


●自分の都合優先
 わたしを怒らせたメールはどちらも最初から自分の事情ばかりを一方的に並べていました。日時を三択程度で並べて指定しても来ました。
 言葉だけは「恐縮ですが」などと丁寧なんですが、言葉遣いが丁寧である分、逆にその自分勝手さが目につきました。

 テレビ局だの、政府だの、有名大手シンクタンクだの…依頼する側のバックにあるものが力あるときは余計注意が必要です。依頼する側はそんなつもりでなくても、相手は威圧的に感じたり、あるいは偉そうに「出してやる」とか「聞いてやる」態度に感じられがちです。

 わたしも急ぐときはある程度うかがう日時などを限定してたずねたりしますが、できるだけ日時だけでなく、場所、方法(メール、電話、訪問…)など、相手の選択肢を多く用意しておうかがいします。

 なによりも依頼する相手に対して、相手が協力する理由が必要です。

 マスメディアの取材の場合はメディアに出ることがある程度は価値があります。もちろん逆にマイナスになる場合もありますし、「出たいだろ?」みたいな気持ちを持っていると、相手を怒らせることになるので注意は必要です。

 覆面対談や、調査への協力などの場合、「迷惑をかけないように名前など情報は出しません」となりますが、そうなると相手は協力しても、なんのメリットもありません。  こういう場合、わたしなら「あなたの声を伝えるために」、たとえば「中小企業のニーズを政府に知らせ、より適切な中小企業政策を立てられるよう」などと口説きます。それなくして「お上による調査だ。いついつ会社へ行くから協力しろ」では、丁寧な言葉遣いで言われても「あんたの都合は十二分わかったけど、なんで協力しなきゃならないのよ!」と腹が立ちます。

 テレビ出演依頼のほうは電話もかけてきましたが、こちらがメールで断りのメールを送った後なのに、メールを見ていませんでした。そして「(ダメなら)代わりに他の人を紹介してください」と言われましたが、こんな失礼なひとを紹介したら、自分の信用が失われるので、もちろん、お断りしました。


 依頼メールを送る際には、くれぐれも、相手についてよく調べ、相手の立場に立って書くようにしましょう。



■実例から考えるメールマナー:就職希望メール:問題編

 不景気の折、わが社のように小さな家族経営の会社にまで、入社を希望するメールが舞い込みます。
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 初めまして、××と申します。現在△△(コピーライター養成所)に通ってまして日々勉強しております。未熟な私ですが面接だけでもいいのでよろしければ受けさせて下さい。宜しくお願い致します。
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 このメールはとても不遜で、失礼なメールになっています。どの文章のどこがおかしいのか? ちょっと考えてみてください。答えは最後に掲載します。

 実はこのメールはタイトルなしのHTMLメールで来ました。通常、タイトルなし、つまりno subjectとなっているHTMLメールはほとんどがウイルスメールなので、サーバ上でチェックして削除しています。このスタイルではまず開封してもらえません。
 OutlookExpressなどMicrosoft社のメールソフトを設定変更せずに使っていると、HTMLメールになってしまいますが、相手の了承なくHTMLメールを出すのはマナー違反。
 仕事でメールを出す際には、OutolookExpressを使うにしても最低限の設定変更をしてマナーを守りましょう。

■Outlook Expressを使うなら設定変更



■実例から考えるメールマナー:就職希望メール:回答編

 先ほどのメールのどこが問題だったのでしょうか?

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 初めまして、××と申します。現在△△(コピーライター養成所)に通ってまして日々勉強しております。未熟な私ですが面接だけでもいいのでよろしければ受けさせて下さい。宜しくお願い致します。
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 問題になる部分は「面接だけでもいいので」です。

 たぶん当人は、人材募集してない会社に対して「入れてくださいと言いたいところですが、せめて試験だけでも受けさせてください」と言いたかったのでしょう。
 しかし、この書き方では意味が全くちがってきます。

 大きな会社なら、入社希望者に対して、まず書類審査があり、そこで選り抜かれたひとに対して筆記試験が行われ、さらに選り抜かれた、ひと握りのひとに対して面接試験が行われます。
 つまり「面接だけでもいいので」とは、「有象無象の雑魚が受ける書類審査や筆記試験は遠慮します。選り抜かれたひとだけが受けられる面接試験だけでけっこうです」という意味になります。

 単なる文章力の問題だけではありません。当人の中に、いきなり面接してもらおうという甘えた願望があったからこそ、出てくる文章です。小さな会社だから「書類審査」だの、「筆記試験」などあるまいとバカにした気持ちがあるから、こういう文章が出てきます。

 受け取る側の気持ちに立ってみたら、こんな文章はまちがっても出てこないはずです。人材募集していない小さな、小さな会社の代表者が、見も知らない相手から「オレに会ってくれ」と要求されたら、どう感じるか考えたら、こんなことは書けません。

 幸い、この相手にHTMLメールだったことや、文章の失礼さを指摘するメールを送ったところ、きちんとお詫びとお礼のメールが来ました。
 しかし、おおかたの場合、自分の希望が通らなかったひとは二度とメールを寄越しません。だから望むものが得られないのです。
 わたしは取材申込などで断られたときほど、丁寧に対応します。わざわざ返事をくれたことに感謝し、相手の事情や立場に理解を示し、またの機会がありそうな場合は「次回よろしくお願いします」とメールします。
 断れたときこそ丁寧な対応をすることで、株が上がります。
 日本は狭い国です。SOHOが仕事するような業界は大概狭い業界です。どこかで行なった失礼がきっと巡り巡ってあなたの評判を落とし、どこかで行なった丁寧な態度が巡り巡ってあなたの評判を上げます。



バージョンアップのノウハウ


■バージョンアップの判断Part1

 パソコンを使っていれば、広告などで「バージョンアップ」という言葉は頻繁に目にするはずだ。また、持っているソフトウェアのユーザー登録をしていれば、定期的にバージョンアップのお知らせも来るはず。

 なにやら、ソフトウェアとは年がら年中バージョンアップしているようにも思えるだろう。しかし、バージョンアップは常に行なうべきものなのだろうか?

 まずバージョンアップの意味について知っておいてもらいたい。

 バージョンアップには、大きく分けて2つの意味がある。
 1つは問題がある箇所の修正("バグフィックス"と呼ばれる)。
 もう1つが機能追加や仕様変更だ。

 バグフィックスだけなら、バージョンアップは常にしたほうがいいといえる。しかし、機能追加や仕様変更が行われた場合には、新たなバグが出てくる場合も少なくない。

 また、バージョンアップ前に世の中のマシンが世代交代した場合も注意したい。新しいマシンで快適に動作するよう改良されたソフトウェアは、これまで使っている旧マシンでは、動作が重すぎて使いづらくなる場合もあるからだ。

 さらに、仕様変更でかえって使いにくくなる場合もある。
 あるジャンルの業界標準ソフトがバージョンアップしたときがそうだった。ずっとMacで使われてきたソフトが、Windows版を出すにあたり、Mac版についてもWindows的に仕様変更がなされ、慣れた人にとっては見づらく、使いにくくなってしまった。
 結果、業界全体は旧バージョンを標準とし、新バージョンは購入しても使わない人が多かった。

 結論としては、バージョンアップ情報は常にチェックしておきたい。

 特にバグフィックスに関する部分は要チェック。バージョンナンバーの小数点以下(ソフトによっては小数点2位以下)の値が変わる「マイナーバージョンアップ」の場合は、バグフィックスや使いづらかった仕様の変更だけのケースが多いので、こまめにバージョンアップしたほうがいい。

 また、周辺機器のデバイスドライバを始め、ソフトウェア以外のバージョンアップもあるので、こちらもチェックしておこう。

 逆に、大きな仕様変更や機能追加が行なわれた場合は、発売後しばらく様子を見たい。パソコン通信など、多くのユーザーの生の声がわかる情報を見て判断しよう。



■Windows XPへのバージョンアップ

 Windows XPは2001年初冬に発売されるWindowsの新しいバージョンです。

 これまでWindowsの個人向けはWindows95、98、Me、サーバマシンなどシステム向けはWindows2000でした。今回のXPで2つの系列がいよいよ統合されます。

 さてXPを購入、アップグレードはすべきなのでしょうか?

 まずOSのアップグレードに際して問題になるのは、ソフトの互換性、つまり、これまで使っていたソフトが使えるかどうか…です。
 現在のところの情報では、XPは互換性が高いものと思われます。Microsoftでは販売数上位1000本のアプリケーションについてテストし、Windows XPでの動作状況を検証したとのことです。いくつかの互換性がないアプリケーションに関しては、Windows Update経由でWindows XP互換にするためのセルフアップデートパッチが配布される予定になっています。まず互換性に関しては問題なさそうです。

 ではわざわざお金を払ってアップグレードする価値があるかどうか?
 Windows Meのときとはちがい、かなり安定性がアップするようです。現在、マシンのフリーズなどに悩まされることが多いひとなら、アップグレードの価値はあるでしょう。

 ただアップグレードに当たってはいくつか注意点があります。
 まずマシンスペック。古いマシンでは対応できません。スペックが合わないマシンでムリにアップグレードをしようとすると、アップグレード中にフリーズ、トラブルの危険があります。
 またアップグレードに際してなにかでトラブルが起きないとも限りません。大事なデータなどはバックアップしておくべきでしょう。

 Windows XPはProfessionalとHomeの2種類があります。一般的な機能はほとんど変わりありません。Professionalのほうはかなり専門的機能がプラスされた感じです。
 これまでWindows95やWindows98、Windows Meを使っていたひとはHomeを使いましょう。Windows2000を使っていたひとでも、個人ならまず一般にはHomeで足ります。Professionalはサーバマシンなど向けと考えてよいでしょう。

 おおむね現在の情報ではXPは好評なので、マシンのトラブルが多い場合はすぐ、そうでない場合もしばらく様子を見たらアップグレードしたほうがよいでしょう。



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