ガーデニング基礎知識【植替え・株分け】

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良い苗の選び方


 苗選びは大切です。苗次第で栽培の苦労が全くちがいます。

 わたしがガーデニングを始めたばかりの頃、ミントの苗を買ってきて植えたのですが、ヒョロヒョロ背ばかりが伸びて、葉は1センチ足らずと小さく、青臭いばかりで、ほとんどミントらしい香りもしませんでした。「冬は洗濯物が乾かないくらい日当たりが悪い我が家では、いくら日陰に強いミントでもだめなのか」と思いました。一所懸命世話をしているのに、葉ダニをはじめ、さまざまな虫がついて、年中食われてばかりいました。
 結局1年半ほど苦労した末、枯れてしまいました。

 ところがその後ひとから分けていただいたミントを同じ場所に植えたところ、ほとんどほっといてもどんどん太くしっかりした枝が伸びて、すぐに長さ4、5cmの大きな葉がつきました。第一に香りが抜群。触れただけで甘いミントの香りがあたり一面に漂います。
 
 以来、わたしは「なんたって苗選びが大切!」と思うようになりました。時間があるときはあちこち見て、安売りの中でいい苗を見つけてきますが、時間がないときはいい店で高い苗を買うことにしています。安物買いの銭失い、ダメな苗を買ってきたら、苦労してもしがいがありません。

 では具体的に良い苗の条件を説明しましょう。

1)徒長していないこと。
2)苗の根元付近が太くてしっかりしていること。
3)葉がしゃきっとしていること。
4)葉が茶色くなっていたり、カビがついていたり…といった病気でないこと。
5)虫がついてないこと。

 さらにハーブの場合は香りも大切なポイント。葉を傷めない程度に軽くこすって、香りをかいでみて、そのハーブらしい香りがするものを選びましょう。青くさかったり、ほとんど香りがしないようであればやめておきましょう。



苗の鉢への植えつけ


 鉢に植えつける場合には、植えつけたい苗よりひと周り大きな鉢を用意しましょう。一回りとはだいたい1号上の鉢と考えてください。鉢の1号は直径3cm。たとえば3号鉢、つまり直径9cmの苗を買ったなら、4号鉢、直径12cmの鉢に植えつけます。
 ポリポットに入った苗はそのままにしておくと、通気性も悪く、また、すぐ根詰まりしてしまうため、弱ってきます。できるだけ早く適したサイズの鉢に植え替えてましょう。
1)鉢やプランターに植えつける場合は、適当なサイズに切った鉢底ネットを鉢底の穴をふさぐように敷きます。このネットは虫を防ぐ意味があります。寒冷紗などを切ったものを使ってもかまいません。

2)次に従来の園芸書では「排水をよくするために鉢底にゴロ土やゴロ石を」とあります。しかし、最近は「ゴロ土を入れないほうがよく育つ」と書かれている園芸書も出てきました。わたしも少なくともゴロ石は根が張れる範囲を狭くしているだけだと感じるので、入れる場合にもゴロ土にしています。特に小さな、3、4号程度の鉢の場合には一切ゴロ石などを入れていません。

3)苗を鉢の中央に置いて、根鉢の上部の高さを見ます。鉢の上端から2〜3cm下に根鉢の上部が来るように、鉢に土を入れて、高さを調節します。
 ※鉢の上端と土が同じ高さになると、水をやるときに土の上にあふれた水が鉢の外に流れ出てしまいます。土の上に多少は水をためられるようにしておきましょう。これを「水しろ」と言います。

4)ポリポットを斜めにして、苗の株元を持ち、ポリポットからそっと抜きます。
 軽くひっぱってみて動きがない場合は、ポリポットを軽く外からもんだり、ポリポットと土の間に割り箸か、穴掘りツールなどを入れて、ポリポットに張りついている土を崩してから抜きましょう。
  

5)ポリポットから抜いたら、根鉢の状態を観察します。根が外にびっしりと回り、固くかたまっている場合は、そのまま植えても根が伸びにくくなっているので、根を傷めないように軽く根鉢をほぐします。

6)先に用意した鉢の土の中央に苗を置いたら、土入れを使って、根鉢と鉢の間に土を入れます。ある程度土を入れたところで、軽く、とんとんと鉢底で地面を叩くとと、ぐっと土の高さが低くなります。そこで、さらに土を加えます。さらに軽く指で押して、土を落ち着かせ、まだ土が足りなかったら、追加します。あまりギューギューと土を押し込みすぎると、土が崩れて、排水性が悪くなりますから、ほどほどに。
 最終的に根鉢と同じか、数mm低いくらいの位置まで土を入れましょう。株元より周囲の土が高くならないように注意してください。
 植えつけ終えたら、水をたっぷりとやっておきましょう。

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苗の庭への植えつけ


 花壇など地植えにする場合も、鉢に植えつける場合と要領はほぼ同じです。

1)地面に根鉢よりひとまわり大きな穴を開けておきます。苗を置いてみて、根鉢の上部の高さが周囲の土と同じ高さか、数mm高くなるくらいの深さに調節します。

2)鉢に植えつけるときの要領で、ポリポットから苗を取り出して、穴の中央に置き、根鉢の周囲に土入れで土を入れていきます。

3)軽く指で押して、土を落ち着かせ、まだ土が足りなかったら、追加します。特に地植えの場合は、株元が周囲より気持ち高くなるくらいに植えつけてください。株元に水が滞留する状態は植物によくありません。
 植えつけ終えたら、水をたっぷりとやっておきましょう。

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株分けや植替えでリフレッシュ


 夏の間にグングンと成長してくれると、世話をした甲斐があって、うれしくなりますね。でも鉢植えはそのまま置いておくと、窮屈になって、傷んできます。ひと回り大きな鉢に移す鉢替えをしてあげましょう。

 株分けは植物を増やす方法のひとつです。
 また株があまり大きくなると、株が弱ってくる植物は2、3年ごとに株分けで株をリフレッシュさせる必要があります。レモンバームやアルメリア、ギボウシ、フロックス、シバザクラ、ジャーマンアイリス、シャクヤク、デージー、シラン、スズラン、ハナトラノオ、クリスマスローズ、フクジュソウ、ミヤコワスレ、ムラサキツユクサなどは株分けが必要です。

 10月は多くの宿根性のハーブや、春から初夏にかけて開花した植物の株分けに適しています。ただし寒冷地の場合は4月中旬から5月中旬をお勧めします。
 観葉植物の株分けは5〜7月、あるいは9月に行いましょう。寒冷地なら6〜7月がよいでしょう。
 夏から秋にかけて開花した植物の株分けは3月中旬から4月中旬が向いています。寒冷地なら5月が適した時期です。
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鉢替えや株分けのタイミングの見分け方


 鉢植えの植物をどんなタイミングで鉢替えや株分けすべきか、その見分け方を覚えておきましょう。

 まず鉢を持ち上げ、鉢底をのぞいてみてください。底穴から根が出てきていたら、もうその鉢は窮屈になり始めた証拠です。

 また水をやった後、表土に水がいつまでもたまっていて、なかなかしみこんでいかなくなった場合は根詰まりしているか、あるいは土の団粒構造が壊れているので、鉢替えや土の入れ替えが必要です。

 鉢替えするときはひとまわり大きな鉢へ植え替えます。たとえば3号鉢=直径9cmの鉢で育てていた植物なら、4号鉢=12cmの鉢に替えましょう。
 秋は休眠の季節へ向かう時期なので、まず、これで大丈夫です。春に鉢替えする場合はミントのように生育盛んな植物はふたまわり大きな鉢、たとえば3号鉢からなら5号鉢に植え替えないと、すぐに根詰まりしてしまいます。

 どんどん大きな鉢に替えていくと、鉢が重くて扱いに困るといった場合、株分けもお勧めです。スペース不足なら、株分けして、ひとに上げてしまいましょう。ただ、あまり小さな株では株分けできません。種類にもよりますが3〜5つ以上の芽を1株として分けたいので、まだ4〜5つ程度までの株では株分けできません。

 株分けもできない、鉢も大きくしたくない場合は、根を切り詰めましょう。



根の切り詰めでコンパクト化


 株分けもできない、鉢も大きくしたくない場合は、根を切り詰めましょう。
 鉢から出したら、高さと周囲とを1/3程度崩して、根を切り、同時に枝も1/3程度剪定して、同じ鉢に新しい土を足して、植え直します。





鉢の適切サイズ


 ところでなぜ鉢は大きすぎてはいけないのでしょうか? 大きな鉢なら土も多く、地植えの自然な状態に近くなって、よさそうに思えますよね?

 地植えと鉢植えとの一番のちがいは、地植えが開けた空間なのに対して、鉢植えが閉じられた空間であることでしょう。鉢の中は土が限られていて、水をやりすぎれば空気の入る隙がなくなり、水やりが足りなければすぐさま水不足となってしまいます。
 大きな鉢に小さな植物を植えた場合、吸い上げる水の量が少ないので、土がなかなか乾かず、根腐れを起しやすくなります。

 また根は壁にぶつかるとそこで枝分かれして、細かく根を張ります。ところが大きな鉢の場合、なかなか壁にぶつからないので、枝分かれもせず、根の量が少なく、貧弱な株になります。

 もちろん小さすぎる鉢では根だけでいっぱいになって根詰まりを起します。

 鉢は適切なサイズのものを選び、めんどくさがらずに、成長度合いに合わせて鉢替えしていきましょう。

 なお、鉢の深さに関しては、植物ごとに縦に根を張るもの、横に根を張るものなど根の張り方が異なりますから、植物に合わせて深鉢、浅鉢など適した鉢を選びましょう。



鉢替えや株分けのコツ


 「目指せ、緑の指」の「根と葉のバランス」で詳しく説明していますが、植物にとって根と葉のバランスは重要です。植え替えや株分けの際にはどうしても根を傷つけるため、このバランスが崩れます。
 通常はできるだけ根を傷つけないように心がけ、同時に葉を減らして、バランスを取るようにしましょう。
 大きくしないためにあえて根を切り詰めるような場合はなおさら葉を減らさなければなりません。根を1/3減らしたら、葉も1/3減らしましょう。

 株分けするときは、鉢植えなら鉢から出して、地植えなら地面から掘り出して、根の部分を両手で持ってふたつ割りにします。どうしても手で割れない場合は、はさみを使いますが、できるだけ切らずに根を分けるようにしてあげてください。

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