フリーライター仕事マニュアル Part3
ライティング基礎テクニック

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プロのフリーライターとして仕事していく上で、
最低限の常識ともいうべき基礎テクニックをまとめました。
残念ながら、わたしが出会う新人フリーライターはこの最低限もほとんど知りません。
しかし、仕事の現場ではあまりにも当り前なので、誰も教えてもくれないものです。
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ライティング基礎テクニック


■文体や文字種の統一は必須!

 文体などに一定のルールがない文章は読みにくいものです。小説など芸術分野なら、まだしも、実用的文章を書く際には、統一がとれてない文章では全く話になりません。
 統一さえ取れていれば、後でルールが変更になっても、置換で直すことができます。しかし統一されていないと、どうにもお手上げです。


●「です」、「ます」調か、「だ」、「である」調か
 これは最低限の基本でしょう。仕事を引き受けた際は、まずここを確認しましょう。
 もちろん、ひとつの文章の中でこの2つが混じることはありませんが、本文は「です」、「ます」調、写真の説明キャプションなどは「だ」、「である」調といったことはよくあります。よく確認しておきましょう。

●数字とアルファベット
 半角にするのか、全角にするのか、あるいはギリシャ数字か、漢数字か……。
 横書きの際は、半角が基本です。ただし、基本は半角でも、1桁のものだけは全角にする場合はままあります。
 縦書きの際は、漢数字にするケースと、全角数字にするケース、さらに2桁か3桁までは縦中横のレイアウトにするケースがあります。

●字送りや漢字
 「行なう」か「行う」か…といった送り、「ひと」とひらがなにするか、「人」と漢字にするかは出版社などごとに異なります。特に相手から指定がなければ、自分のスタイルで書いてかまいませんが、その際も統一を忘れずに。あっちの行は「行う」で、こっちの行では「行なう」ではひんしゅくをかってしまいます。



■順番や空白にも注意!

 統一に気を使う際は、文字表記だけでなく、書く順番や、空白、TABなどにも注意しましょう。入力関連の仕事や、駆け出しフリーライターが頼まれるデータ整理などの仕事で、相手が最も望んでいることはきちんとした統一を行なうことです。この手の仕事では特に以下のような順番や空白などがでたらめだったら、相手から見ると、仕事をしなかったのと同じことになります。

●項目の順番
 たとえば「住所」、「氏名」、「電話番号」などのように項目の順番も統一してください。あるデータは「住所」、「電話番号」、「氏名」になっているといったふうでは、入力やデータ整理の仕事をしたとは言えません。

●スペースやTAB
 スペースにも全角と半角があります。たとえば日本語の場合には全角のスペース、英数字は半角のスペースといったふうに一定のルールを持って書きましょう。
 何人もで分担して仕事する場合などは、仕事相手に確認して、全員で統一するように心がけてください。
 印刷物用の原稿を書く際には、一般的にはTABは使いません。TABを使うと、行頭などが揃って見えたりしますが、TABはパソコンやソフトの設定によって、幅が異なったりするため、ちがう環境に持って行くと揃っていたものが崩れる場合もあります。
 TABを使う場合のみならず、スペースを使う場合でも、基本的に行頭揃えなどのために空白を入れることはやめたほうがいいでしょう。
 相手のデータの利用法次第では、余分なスペースやTABは邪魔になるだけです。


■フリーライターの文章は上手下手より正確さ

 編集者はしばしば駆け出しのフリーライターの文章を書き直します。自分が書いた文章を一字一句そのまま世に出そうなんて「10年早い!」と編集者は思っていたりします。ある意味では最初は文章がやや下手でも許されます。
 けれど不正確な文章は許されません。内容にウソやまちがいがあるまま出版した場合、出版社はその責任を負うことになり、多大な被害をこうむります。フリーライターが賠償しなければならなくなることもあります。

 意図的にウソを書いたり、いいかげんに書いたりしなかったとしても、勘違いして、意味の違う言葉を使った結果、ウソになることもあります。
 まずは正しい日本語を書くように心がけてください。それが同時に上手な文章への第一歩です。


フリーライターの仕事道具


■フリーライターに限らず、文書はテキストファイルが基本

最近のWindowsのパソコンにはMicrosoft(MS) Wordが入っている場合が多いため、文章を書く際にはあたりまえのようにMS Wordで書いて、ひとに送りつけるひとが少なくありません。しかし、ソフト独自ファイル形式のファイルは、相手が同じソフトを持っていないと開いて見ることができません。同じソフトを使っていても、バージョンのちがいによって開かない場合もあります。
 初めての相手に履歴書など文書を送る場合には、メールの本文に書くか、文章の量が多い場合には相手の許可を得てテキストファイルを添付して送ります。
 初めてやりとりする相手にMS Word形式ファイルで送るのは相手から指定された場合に限られると考えてください。

 フリーライターに限らず、インターネットを介してファイルを納品する仕事をしたいなら、データやりとりの知識とノウハウはちゃんと身につけておいてください。

「データやりとりのノウハウ」もぜひ読んでください。

■フリーライターの筆記具、エディタ

 最近はMS Wordを使う編集者も増えています。ですからMS Wordも使えるようにはしておきたいですが、あくまで原稿はテキストファイルが基本。フリーライターなのにテキストファイルでの納品ができないようでは困ります。

●なぜ原稿はテキストファイル?

 原稿はテキストファイルが基本とされているのは、どんな環境の相手でも利用できること、余計な情報が入ってないことが理由です。
 書籍や雑誌、Webサイト用の原稿は書いた後、編集者が漢字の送りなどを統一したり、デザイナーがDTPソフトなどでレイアウトするなど、手を加えます。従って、勝手にフリーライターが指定したフォントや文字の大きさは、加工する者にとっては余計で邪魔な情報です。いちいち指定情報を削除しなければならないので迷惑です。

●エディタソフトが必要な理由
 テキストファイル作成用にエディタソフトを用意しましょう。
 MS Wordでもテキストファイル形式で書いて保存することは可能ですが、テキストファイル慣れしていない初心者の場合、ついついテキストファイルでは利用できない、MS Word独自の機能を使いがちで、保存して開き直したら、書いたときのイメージと異なっていたといったことになりがちです。
 また多くのテキストエディタでは改行コードの変更が可能です。あなたがMacユーザーでWindowsを使っている編集者に原稿を送る場合、あるいはその逆の場合に改行コードを相手の環境に合わせて送れば親切です。

●エディタソフトの特徴
 エディタソフトは元々はプログラム作成のために生まれましたが、余計な機能が多くて重いワープロソフトよりも、軽快に使えることから、フリーライターをはじめ、文章を書く職業の人間の間で愛用されるようになりました。
 ワープロソフトの簡易版的に考えるとわかりやすいでしょう。
 編集機能、つまり検索、置換、カット&ペーストやコピーなどの機能はひととおり揃っています。しかし、文字に色をつけたりといった見た目の加工をする機能はあまり持っていません。

●おすすめエディタソフト
 エディタソフトはWindowsのOSには「メモ帳」および「ワードパッド」が、MacOSの9までなら「Simple Text」、MacOSのXには「Text Edit」が付属していますが、ファイルサイズの制限があったり、機能が少ないので、仕事に使うには不足です。
 Macなら「Jedit」、Windowsなら「秀丸エディタ」、「EmEditor」、「WZ」などがおすすめです。

 各エディタソフト入手先はSOHOに役立つリンク集No.2「仕事道具や資料の購入」

■事典、辞典はフリーライターに必須の仕事道具

 ひとはけっこう勘違いしていること、まちがって覚えていることが多いもの。少しでも自信がない場合は調べて確認するという習慣をつけましょう。
 たとえば、この文章のタイトルの「事典」と「辞典」のちがいは? すらすら答えられないようなら、早速国語辞典を調べてください。

 具体的にはどんな辞典や事典を揃えておけばいいのでしょう?

 最低限、国語辞典は持っておきたいもの。言葉は時代と共に変わるもの、学生時代の古い辞典を使っているなら、そろそろ新版のものに変えましょう。

 漢和辞典も欠かせません。漢字は正しい読み方さえ知っていて入力さえすれば自動的に漢字に変換される時代になりました。でもそもそも読めないことには国語辞典を引くこともできません。そこで必要になるのが漢和辞典です。

 プロのフリーライターには欠かせないのが新聞社などが出している用字用語辞典。仕事で原稿を書く際には用字用語や漢字の送りなどの統一が必須ですが、それに際して、しばしば「朝日新聞の用字用語辞典準拠」などというルールが使われます。

 おすすめは類語辞典。キャッチフレーズや見出しを考えるときに、わたしはいつもお世話になってます。たとえば「出発」、「スタート」、「旅立ち」……類する言葉を眺めて、いろいろと言葉を練ります。

 現代用語辞典も持っておきたいもの。調べるだけでなく、最近の各分野の情勢なども見られる点が便利です。

 最近はインターネットでも各種辞典を引くことができますが、やっぱり手元に持っておきたいもの。印刷されたもののほか、CD-ROMも便利です。

 おすすめ辞典は「フリーライターの必携書籍」
e-mail: Mag2 Logo

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